アーク放電型マグネトロンスパッタリング装置
独自開発による高密度マグネトロンカソード(アーク放電型マグネトロンカソード)を搭載した全自動スパッタリング装置です。
新開発アーク放電型マグネトロンカソードは従来型カソードに比べ低圧力・低電圧・大電流での成膜が特徴です。
独自の高密度プラズマスパッタにより他のPVD法では得られない緻密で平滑な硬質膜が形成できます。
膜質は緻密化しており微細な結晶によるバルクに近い構造が得られています。
膜の表面平滑性にも非常に優れています。ドロップレットが無く後処理(研摩等)が不要な硬質窒化膜・炭窒化膜が成膜できます。
特に金型や切削工具などのコーティングにおいて膜質と併せて大きなメリットとなっています。
また水素フリーのDLC膜(窒化炭素膜)も成膜可能で、自動車部品の摺動性向上を目的に開発を進めています。
本装置は豊富な実績を持つPIG式DLC膜形成装置と基本設計を共通化しています。
アーク放電型マグネトロンカソードを最大4元とDLC膜用のPIG式プラズマガンが搭載可能です。
ナノレベルの複合多層膜の形成や新規合金薄膜の作成にも極めて有効です。
PIG式DLC膜形成装置と複合化でADMS(アーク放電型マグネトロンスパッタ)硬質膜+PIG式DLC摺動膜の表面処理技術として
今後の用途開拓が期待できます。
「関西ものづくり新撰2023」選定製品
TiN膜の断面SEM像
アーク放電型マグネトロンスパッタによるTiN膜は従来のマグネトロンスパッタと比較して、皮膜の組織が緻密です。
装置仕様
処理物 金型 自動車部品 切削工具 冶工具等
コーティングエリア Φ600×500L
処理量 Φ140×500Lの場合 12本(自公転)
膜種 Ti系:TiN,TiCN,TiAlN等
Cr系:CrN,AlCrN等
その他金属・合金及び窒化膜・炭窒化膜
CNx(水素フリー)
成膜方式 アーク放電型マグネトロンスパッタリング
(通常型マグネトロン及び矩形PIGプラズマガンとの併設可能)